マンガ論

マンガ論第四回講義

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 今日はつげ義春のマンガ『海辺の叙景』を取り上げた。前回『チーコ』を読み解いたことから、一生懸命、作品の裏側を読み取ろうとする学生達。作品にさりげなく登場するアイテムには秘密がある。それは母胎回帰。興味が出た学生はぜひ、ソフォクレス『オイディプス王』を読んで欲しい。マンガ論の講義がますます面白くなることを約束する。(TAS・五十嵐)
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『海辺の叙景』は何と読むか。タイトルにも秘密は隠されている!
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音読をすると、作品が身近になってくる。
 【学生の声】
 
 私は『海辺の叙景』を父からの性的虐待を受ける女性と母からプレッシャーを受ける男性の話だと思って読んでいました。「遺影」にはぞっとしました。(文芸学科一年 馬場嘉淑)
 初読ではこの『海辺の叙景』は若い男と女のいい感じになりそうな爽やかな恋愛マンガだと思っていた。しかし、この男が実はもう死んでおり、女は死神だと聞いたとき、眠気が一気にきえてしまいまった。(文芸学科一年 宮崎隆)
 私的には『海辺の叙景』は『チーコ』よりも好き。つげ作品を詠む度思うけど、ホントに無駄がない。『チーコ』を詠んだおかげか、初見でも「裏」が見える作品だった。(文芸学科一年 飯島哲也)
 オイディプス王は自分も予言を知っているのだから人を殺さないようにするとかもう少し考えて欲しい。男を一人殺したのだから、父じゃないか疑ってもおかしくないはず。(演劇学科二年 岩崎 恵子)
 今回の話は、ラストシーンの解説で一気に背筋が凍りました。何でもないような話の中に大きな矛盾と疑問を描き、女の恐ろしさを表現したつげ先生には思わず感服してしまいます。(文芸学科一年 井内翔平)
 いつもながら、深いと思いました。とくにさいごの方の旧約の神の話と人間、正義についてのところです。作品で思ったのは、はじめて詠んだときに妙に気持ち悪い終わりだと感じていたので、先生の説明であぁそうだったのかと思いました。(演劇学科二年 渡辺 百桃)
 つげ義春は、無意識にこういったマンガを描いたのか。人間、窮地に陥るとこのような狂気めいた世界が見えるのだろうか。いや、自分たちがいる何気ないこの日常でも、生と死の間を感じることではないだろう。(美術学科四年 川名祐輔)
 遺影が衝撃すぎでした。二人で海に入るとき、男の足が途中で切れてるのも恐くなりました。ビックリがいっぱいです。(映画学科二年 大久保希美)
 とりはだがたちました!!「絵の表現」というもののしばらしさに…。(放送学科一年 キムボミン)
 チーコの授業で読み方を聞いて、今回かなり警戒してたのにやっぱり気付けない所が多かったです。すごく悔しい。(文芸学科一年 松永 寛和)
 この授業に出ると、すべてのマンガが恐くなるんだと感じた。(演劇学科二年 尾山昂)
 海辺の叙景は登場人物が死んでいる男とその命を削る女という関係に気が付いた時は、マンガを楽しんで詠むという点とはかけ離れていて恐かったです。(文芸学科一年 葉雅美)
 56ページの一コマ目が遺影に見えたときは戦慄しました。サングラスに始まり生命まで奪ってしまう妖婦は恐ろしくも魅力的だと思いました。(文芸学科一年 寺田昌洋)
 最初の男のコマで、一コマ目から二コマ目で麦わら帽子がなくなっている方が気になってしまいました。あと、途中から、女性はタコの化け物では?とも思っていました。(デザイン学科四年 持田裕一郎)
 今日の驚きは今までで一番だったかもしれない。遺影の衝撃はとてつもないものだった。チーコの経験から読み解こうとがんばったが、まだまだ修行が足りないと感じた。(映画学科一年 豊歳遥介)
 ためしに『海辺の叙景』の裏側を覗こうとしたら、ものの見事に全くできなかった。知識や観察力、その他が諸々が全然足りないと思った。裏側が独力でみられるようになったら、とても面白いと思うのだが。(文芸学科一年 柴田暁人)
 海辺の叙景は抒情的な作品に初めて読んだとき思えたが、ラストの「いい感じよ…」に含まれる暗さと描写が気にかかっていた。今日はその象徴的な意味がわかる、目からウロコの授業だった。(文芸学科一年 角朋美)
 遺影になっているところに気づいたときぞっとした。登場人物の女がすべてを奪っていく女だと聞いてから、もう一度作品を詠んだら、最後の方で泳ぎたいと言っていたのに、男だけ泳がせて女は男の傘までつかっていたのに気づいた。(美術学科二年 白野鮎美)
 オイディプス王の話と同じものを読んだことがありました。「父親殺しの罪」が繋がっているのもびっくりしましたが、他の作品もの繋がっていくことに驚きました。そして遺影の描写。私は海で泳いでいる青年に女の人が「唇が青いわよ」と言っているセリフも死人を連想させたので、ぞっとしました。青年はどうして罰をうけるのか、自分自身ではわかっていないと思うので、残酷だと思いました。(映画学科二年 高橋茉由)
「海辺の叙景」を、今まで自分は好きだったが、腑に落ちない部分がたくさんあった。特にラストシーンまで続く異常なまでの暗い雰囲気(ラストの見開きに象徴される)が謎だった。しかし、今回の授業の「死」と「母胎回帰」というキーワードによって、かゆいところに手が届いたような感覚を得た。素晴らしい作品だと改めて思った。(文芸学科一年 伊藤多季人)
オイディプス王の話、大変興味があります。その話と、海辺の叙景が、つながっているので、オイディプス王を是非読んでみたいと思いました。(演劇学科二年 若林亜貴)
 今日の授業は生徒が盛んに質問し、先生もしっかりと質問に対する答えを返しており、話もマンガから宗教論、母胎回帰などへ移行している幅広い授業で面白かった。(文芸学科一年 土岐紘二郎)

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