マンガ論第九回講義
今日は日野日出志のマンガ『蔵六の奇病』を取り上げた。ある日、蔵六の体に、毒キノコのような七色の吹き出物ができる。それはだんだんと膿み、蔵六の体は不気味に変形していく。「村の掟」から完全に疎外された蔵六の悲しみ。ものすごくグロテスクな絵は気持ち悪さよりも、美しさを感じる。こっそりと涙を拭う学生もいて、感慨深い講義であった。(TAS・五十嵐)
批評とは作者をも感動させなければならない。
【学生の声】
マンガを読んで、ひさしぶりに感動しました。(美術学科3年 野口由里子)
境遇が似ているので、講義中涙をこらえるのに必死でした。(文芸学科1年 北條寛之)
日野さんのマンガを読んだことはありませんでしたが一日でファンになりました。日芸に入ってマンガ論を取らなければ知ることはなかったと思いますので、マンガ論取ってよかったなぁと思いました。(文芸学科1年 小芝崇訓)
先生の熱演にしびれました。(演劇学科2年 日高愛美)
仮面被って太鼓叩くシーンは勅使河原宏の「砂の女」にもあったよーな。しかしこの生理に訴える作風はあいかわらずマンガ界でも群を抜いていますね。土着的なテーマもこの画力があるから際立つワケで。(映画学科1年 松永理人)
本当に表現だけで自分の人生の道を切り開いていこうと思ったら、この蔵六のように自分のウミで絵を描こうやら、ミミズを食べようとか、それくらいの覚悟がないとダメだなぁ。(美術学科4年 川名祐輔)
先生が劇的に熱く語ったのが印象的でした。こっちも感動した。(デザイン学科3年 伊藤麻衣子)
1回読んでみて、気持ち悪いのと同時に何か奇妙な感覚があったのだが、先生の最後の叫びを聞いて、それが何なのか少しわかったような気がします。(文芸学科1年 井内翔平)
最初は化け物のようになってしまった蔵六が最後に村人に復讐する話かと思っていました。しかしさんざん汚い(視覚的にも心理的にも)描写が続いていたのに最後の美しいカメというオチに泣きそうになりました。(デザイン学科3年 古幡愛美)
こんなにグロテスクな話は初めてでだんだん心が締め付けられていった。悲しかった。蔵六の母親は真の意味で彼を愛せなかったのだろう。そこも、切なかった。(文芸学科1年 藤森晴香)
正直、最初読んだ時は気持ち悪いという感情だけ感じましたが、先生の授業を聞きながら、もっと純粋な感情で解釈ができればいいな、と思うようになりました。(放送学科1年 徐鉉宙)
批評すごい、と思いました。「蔵六の奇病」は、つげ義春より好きでした。日野さんの作品を他にも読もうと思いました。(演劇学科2年 米山愛美)
「批評とは作者をも感動させないと批評ではない」すごいです。名言です。本当にそぉ思いました。でも先生の批評なら確かに感動しそうです。とぉとぉ名前を覚えられてしまいました…。(演劇学科2年 渡辺百桃)
「気持ち悪い」最初の方は絵を直視することができない程、そう思いました。でも両親に捨てられて、一人ぼっちで絵も描けなくなって、それなのに生きて孤独を味わっている蔵六に悲しさがでてきました。もっと早くに感じるコトができるのが純粋な子供なのかなと思いました。今日、夢で出てきたら謝ろうと思います。(映画学科2年 高橋茉由)
本日二回目の聴講です。蔵六の奇病は悲劇、悲劇です。ものすごい悲劇。母にとっても蔵六にとっても悲劇だと思いました。一人でもいいから蔵六の側にいてほしかった。側にいるだけでもいいからいてほしかったです。だって死んだあと側にいてもらっても死んだら何もなくなっちゃうんだから、悲しいです。あまりにも悲しいです。(美術学科4年 小幡七恵)
今日の話はオチが読めるし内容も結構スタンダードだったけど、もっともっとデフォルメしてないようも少し軽くなれば、小さい子向けの絵本として成立するようなメッセージ性を感じた。あと、初期の「世にも奇妙な物語」のような雰囲気だと思った。(文芸学科一年 片山幸典)
悲しくて、悲しくて、昼に喰ったオムライスが全部口から出そうです。(文芸学科一年 武田寿正)
私も泣きました。(演劇学科二年 竹田紗貴)
気持ち悪い話だと思ったけれど今日の授業で、その気持ち悪さするうけとめなければ「愛」じゃないと聞いて、ああ愛ってすごいと思いました。(文芸学科四年 櫻田真理)
今日の授業はすごい熱のこもった内容だった。ぶっちゃけ、眠かったのですが思わず聞き入ってしまいました。(映画学科一年 豊歳遥介)
最初に読んだ時は、蔵六が気持ち悪くてまともに見れなかったが、先生が実際に声に出して読み、直視させられると、背筋の凍るような悲しみが分かった。(文芸学科一年 松永寛)
蔵六が抜け落ちた目玉を必死になって拾い、目の中に入れようとしているところが、ちを流してうめいているシーンより私には痛々しく見えました。(美術学科二年 門脇智子)
私の母は、もし私が蔵六の奇病のようになっても抱きしめてくれます。うみを吸い出して、血をぬぐってくれます。そういうことだと思います。「鮮」、「あざやか」という単語から時々感じる、色彩にあふれるからこそ見える激しさを見られたマンガでした。(文芸学科一年 馬場嘉淑)
怖い話でも気持ち悪い話でもない、悲しくて、恥ずかしい話でした。七色の甲羅でつつまれてなくとも、深紅の涙がなくとも、蔵六は美しかったと思います。(放送学科一年 キム・ボミン)
33Pの、蔵六の目玉が腐って落ちたあと、その目玉を何度も何度も元に戻そうとしていて、それでも戻らないから最後に食べてしまうシーンが、何ていったらいいか判らないくらい悲しくて、すごく印象に残っています。あと講義の中で先生が熱く評論について話をなさっていて、どうして私が先生の書いた宮沢賢治の銀河鉄道の夜の評論で泣いたのかが判りました。(放送学科一年 長尾江莉奈)
始めはとてもグロテスクで気持ち悪かったのですが、そんなこと言ってはならないですね。少し反省し、悲しくなりました。(演劇学科二年 亀田梨紗)
2008年06月16日
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