マンガ論【学生の声】
【マンガ論第13回目。前回に引き続き「蔵六の奇病」を取りあげる。美しい亀となった蔵六の悲しみを想いつつ、テキストを読み終える。なお、来週のマンガ論は以下の公開授業に振り替えとなります。〈所沢・文芸棟教室1「中国の芸術創作について」張晶 教授〉】
出席者57名中16名
ぞうろくがどこからカメになったのか気になる。というか、あれは、やっぱり蔵六だったのか?母の愛情と村人との対立で、村人が勝ってしまったのがとてもかなしい。実際蔵六は母さえいればよかったような気がするのに…。(小山紗季・文芸学科1年)
均一化された仮面をかぶり異端者を排除しようとする社会と最後は亀となり、芸術の極地へといたらんとし、社会に背をむけた蔵六。現代の社会を巧く風刺していると思った。(酒井正二・文芸学科1年)
私は当初から化け物になった蔵六より、あまり表情をかえない村人達に気味の悪さを覚えていたので、今日の説明には納得しました。(鶴見愛・文芸学科1年)
ミミズや、動物の腐肉を食べてまで生きたいと願った蔵六をスゴイと思った。そこまでして生きて何かを残したいという執念が私にはあるだろうか。美しいカメになった蔵六。私にはどうしてもハッピーエンドには思えなかった。(田中愛美・文芸学科1年)
何故蔵六が最期「亀」になったか知りたかったので知れてよかった。母体回帰の話は何度も聞いていたので沼=母胎はわかっていたが亀=父からのばつとは…。その通りで沼には亀の死体しかないことも納得いった。(東真己子・演劇学科2年)
表紙のフトンにくるまっている蔵六もカメのようだ。蔵六側に立つと、奇病にかかっているのは村人の方に感じる。(本多正樹・映画学科2年)
何故蔵六の最終形がカメなのか、ずっと疑問に思っていたが、今日の先生の説明でわかりました。なるほど、この作品は「母体回帰」のテーマが根底に強く流れているのですね。 (伊丹 濯 映画学科2年 )
私も「美しいかめだ」発言は疑問だ。目がない亀をみて「美しい」というのは客観的というか外見からの感想でなく、もっと深いところで胸をついて出てくる単語だと思う。が、村の人にそんな心があるとも思えない。どれだけ甲羅がキレイなのだ。と、いうか、村の人は外見判断するのに甲羅だけとらわれて、一番不気味な、目についてふれないのはおかしい気がする。(高居 らら 文芸学科1年)
今日あらためて「蔵六の奇病」を読み直して考えをあらためました。人の立場は角度をかえるだけで、こんなにも感じ方が違うのだと、原点にかえった気持になりました。そして、こんなにも感動し考えさせられたマンガは久しぶりだったので、日野さんの他の作品も読みたいと思いました。( 小野寺 友里恵 美術学科2年)
蔵六の生への執着に=芸術に対する執着心なのだと思ったら、怖いくらいすごいことだと思った。(栗原 伊純 映画学科1年)
「亀」=「男性器」の象徴であるという解釈に、思わずはっとなった。「沼」というと、何となく「生温い水」という感覚をおぼえるが、この沼の水は「羊水」ということか。ねむり沼というネーミングにこれほど深い意味合いが含まれているとは思わなかった。( 佐滝 忍 文芸学科1年)
最後の沼が母体であることがおどろいた。蔵六はまた、母の体内に戻ったということ。蔵六の奇病で一番薄かった父親、この人のことをもっと知りたかった。蔵六はいくつくらいなんでしょうか(加賀屋 朝子 美術学科3年)
擬音語によって日野さんの表現したいことが様々に解釈できることがよく分かりました。( 小久保 真美 演劇学科2年)
蔵六は最後、自身が七色になり、前々から欲しかった色を手に入れたが、姿は亀になり、目も見えずおそらく耳も聞こえないだろう状態になっており、とても不気味な場面になっていると思った。(森永 治人 文芸学科1年)
村人達が森に蔵六殺しに行っている時、蔵六の実家に「ガタガタ」と吹き込んできた風は、家に帰ってきたかった蔵六なのだ!というのが考えもしなかったので、感動的だった。 あと、最後カメになったけど、カメなら固い甲羅で、村人から投げられてしまう石から身を守れるかなーとも思って、ちょっと切なかった。(長谷川 加織 映画学科1年)
この作品を一度読んだ時には、蔵六の純粋な絵を描くことへの情熱に感動したけれど、二度目に読んだときには、苛ついた。美しい絵が描けたとき、せめて母親にだけでも見せに行けば良かったのにと思ってしまった。蔵六が絵が上手いと褒められて欲しかったわけではなく、自分の作品を人に伝えようと熱意を蔵六に見せてほしかった。でも、三度目には、やっぱり蔵六は蔵六らしく描くだけが幸せというのもいいのかなと思った。(長谷山真理子 映画学科1年)
2007年10月22日
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