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日野日出志「蔵六の奇病」を読み解く(1)...【はじめに】


はじめに

――日野日出志の本を購入――

日野日出志氏の漫画をまとめて読んだことがなかった。何作かは読んでいたが、気味の悪いグロテスクな印象を持つ程度で、きちんと批評してみようとは思わなかった。ところが二〇〇四年四月二十六日、日野日出志が日本大学芸術学部文芸学科のオムニバス講座(文芸特別講座・)で授業をすることになったので、わたしもこの講座のチーフ講師・志賀公江氏と一緒に聴講することにした。

 

そこで当日までに日野日出志氏の漫画を何作か読んでおこうと思い、まずは我孫子駅前の書店で探したが、一冊も置いていなかった。ここの店員は漫画そのものに関してあまり知識がないようであった。そこで柏市の行きつけの古書店(漫画専門店)に出掛けて、主人に「日野日出志ありますか?」と訊くと、すぐにレジの後ろの特別な棚をさした。そこには七、八冊の日野本(初版本)が置いてあった。値段を見ると、八千とか六千円とかついている。講談社で出ている並製の本まで二千円とついている。おや、なんでこんなに高いのだろうと思っていると、主人すかさず「日野日出志の本は絶版が多いんですよ」ということだった。どうやら日野日出志氏にはマニアックな熱烈なファンがいるらしい。わたしは『蔵六の奇病』(創美社版)を千五百円で購入した。まずは一冊読んでみようという感じであった。

 それから電車に乗って池袋に行き、まずは西部のリブロ書店に寄った。漫画コーナーの女店員に「日野日出志の本、どこにありますか」と訊くと、その店員は日野氏を知らなかった。これでは話にならない。次にジュンク堂の地下一階に行き、同じ質問をすると、その女店員「講談社本は現在在庫がありませんが、秋田書店のものはあります」と言って、すぐにその棚の所に案内してくれた。わたしはそこに置いてあった五冊ばかりの本を購入して帰って来た。

2004年5月13日

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