つげ義春さんとお会いして(2)

マンガ論, ニュース

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わたしがつげ義春氏に会ったら一番聞きたかったことは、彼がいつどこでドストエフスキーの作品を読んだのかという点であった。この点に関しては、電話や手紙で問い合わせればよいようなものの、わたしはこの点についてはぜひ直接会った時に訊こうと前々から思っていた。

「つげさんはいつ頃ドストエフスキーの作品を読んだんでしょうか」
「ぼくはドストエフスキーはほとんど読んでいないんですよ。『貧しき人々』は読みましたが、『罪と罰』は半分ぐらいまでですね。江戸川乱歩をよく読んでいたんで、ポウは全集を揃えて読みました。『罪と罰』は手塚治虫さんの漫画で読みましたね。全部読まなくても、内容はだいたい知ってました」
つげ義春氏には『罪と罰』というタイトルの作品があり、ドストエフスキーの『罪と罰』は絶対に読んでいるだろうと踏んでいたのだが、あっさりとはずされた。手塚治虫の『罪と罰』は子供向けに描かれた漫画でドストエフスキーのものとは比べ物にならない。わたしは手塚治虫は偉大な秀才とは思うが、今まで天才だと思ったことはない。


「天才はつげ義春、手塚治虫は秀才ですね。つげさんの作品はつげさん独自のものですからね。ぼくはドストエフスキー、宮沢賢治、つげ義春と批評して来ましたが、みんな天才です。つげさんの作品がフランスやドイツで読まれるということはたいへんいいことだと思いますね。『無能の人』とかは日本、東洋を強く感じさせる作品ですし、つげさんの作品が今後、世界のいろいろな所で読まれるようになることはいいことですよ」

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